誰もが人生を充実させたいと思っています。みじめな人生は送りたくないと願っています。
ここでひとつご質問です。
あなたは、「成功」していますか?
十分にお金を稼いでいるから成功している、という人もいるかもしれませんが、「お金を稼ぐ=成功」という定義で捉えているのなら、成功していると実感している人は少ないです。
今回の記事では、
幸福度は上がる
というお話をしていきたいと思います。
成功することは絶対的に正しい?
まずは、成功の意味を辞書で確認しましょう。
1 物事を目的どおりに成し遂げること。「失敗は成功の母」「新規事業が成功をおさめる」「実験に成功する」
2 物事をうまく成し遂げて、社会的地位や名声などを得ること。「写真家として成功する」出典:デジタル大辞泉
成功して財産を得ることが何にもまして正しいことなのか?と言われると、それは「ノー」です。
その次は(心身の)「健康」
その次が「所有物」(人やお金)です
たとえ莫大なお金を手にしたとしても、健康でなければ全く意味がなく、さらに時間を有効に使えていないのであれば、むしろ足かせになることもあります。
そこでご紹介したいのは、人生をトータルで捉え、「成熟」を目指すという考え方です。
成熟についても辞書で引いてみましょう。
1 果物や穀物が十分に熟すること。「稲が成熟する」
2 人の心や身体などが十分に成長すること。「成熟した肉体」
3 その事をするのに最も適した時期に達すること。「機運が成熟するのを待つ」出典:デジタル大辞泉
人間にとっても成熟とは、様々な人生経験を積み上げることで、人間性が向上し、自身も成長を感じている状態です。
そして大事なことは…
心の底から湧き上がります
ということです。
お金や地位、財産など、外からの何らかの指標を頼りにする「成功」とは正反対なのです。
「〇〇円稼いだから成功した」とか「〇〇という地位にたどりついたから成功した」というように、何らかのレベルを満たさないと成功と実感できるないのに対して、
成熟とは、心が満たされたときに、自分の人生に彩りが加わったと感じることなのです。
最も大切なのは「今この瞬間」
そして、「時間が大切」とはどういうことかと言えば、具体的には、今この瞬間を幸福感を持って過ごしているか、ということです。
成功を収めるには、時間を費やさないといけないのですが、ここで「時間を活用する」と「時間を犠牲にする」とでは、意識の違いに差が生じます。
時間を活用するということは、今この瞬間に目が向いていて、成功のためのひとつひとつのプロセスを充実感をもってこなしていることになります。
ところが、時間を犠牲にするという発想はどういう状況かというと、どうしても達成したい未来への思いが強いあまり、相対的に今の現状がつまらなく空虚に感じてしまい、毎日が楽しくなくなるのです。
こうならないためにどうすればいいか?というところで、成熟を目指すという考え方が活きてくるというわけです。
何らかの目標に向かって進んでいても、今の1分1秒が貴重でかけがえのない、自分を成長させてくれる瞬間です。
目標に対するこだわりよりも、その目標に向かっている自分が、少しずつ人間的に進化成長していることに意識を向けることで、今この瞬間の価値が高まっていきます。
成熟を目指せば日々が充実する
というわけで、小さな成長を繰り返す中で人間としての魅力が増し、深みが出てくるのです。
なので、「成功」を目指す人生より、人間として「成熟」していく人生が、幸福度が上がり、生きがいも感じられるのです。
人生をトータルで考え、私たちに与えられた人生の時間の中で、成長を重ね、人間味増し成熟していく、という生き方にシフトできればどうなるでしょうか。人生のいたるシーンが成熟の1ページですから、今何をしていようともどんな境遇でも、感謝しながら過ごすことができます。
人生に起きる様々な出来事を否定したりせず、すべて自分の人生が成熟していくプロセスだと理解できれば、今この瞬間でも、人生トータルでも、自分らしい生き方を実践することができるのです。
幸福を「今」と「人生トータル」で感じたら最高
というわけで、今この瞬間を楽しく過ごすことと、自分の人生全体に充実感を感じること、この2つが両立できれば、最高に幸福な人生というわけです。
成功を夢見ることをもちろん否定はしませんが、それを「目的」にするより、人間的な成長と人生の成熟をもたらすための「手段」ととらえたほうが、はるかに気楽に生きられます。
おわりに
成功を追い求める人生はとめどなく、試練が延々と続いていきます。成熟を感じる人生なら、何かに追われることなく、今も、そしてこの先も生きることの楽しさを謳歌できます。
たった1つの命の中で有限な時間を私たちは生きています。今この瞬間にも、生きていることのありがたみを満喫するためにも、人間力を高めて成熟した人生を目指しましょう。