新しい環境に入る、と一言で言っても、その実情は大きく2種類に分かれます。
ひとつは、「自ら望んで」新しい環境に入る場合、
もうひとつは、「望んでもいないのに」新しい環境に入らざるを得なくなった場合です。
両者は全く異なるシチュエーションなので区別する必要があります。
今回は前者の「自ら望んで」新しい環境に入った場合に、最初に心がけることは何か、というお話をしたいと思います。
とにかく「慣れる」ことに集中
結論から言いますと、
まずは「慣れる」、ということです。
そんなこと、当たり前じゃないか、とおっしゃるかもしれません。そう、当たり前なのです。
具体的に言いますと、
・まずは、新しい場所に慣れる。
・そして、新しい人間関係に慣れる。
・さらに、新しい行動に慣れる。
ということです。
望んでいた通りに、新しい環境に入ってきたわけですから、気分はウキウキしています。前向きに頑張ろうとします。
しかし、今まで在籍していた環境が長ければ長いほど、新しい環境に入ると、あなたの体は、あなたの気持ちについていくことに必死です。
それまでの環境に、あなたの体は慣れっこになっていたわけですから、生活ががらりと変わると、あなたの体は戸惑い、急激な変化を抑えようと働きかけます。
人間には「恒常性維持機能」、いわゆるホメオスタシスというものがあります。一言で言うと、快適な現状を維持しようとする機能です。
新しい環境に入ったということは、現状が変更されたということです。新しい自分が動き出すと、今までの自分が、抵抗を見せるというわけです。
いわゆる「5月病」というものは、あなたの体の抵抗が心にまで波及して、やる気を失ったり、思うように行動できなかったりする状態です。
ですので、あなたの体の抵抗を緩やかなものにして、いつの間にか消えている、という状態が理想です。そのためにも、じっくり慣れるということが必要です。
新しい環境に入ると、はやく実績を上げたいという思いから、気持ちが前のめりになり、つい焦ってしまうことがあります。
そうやって、最初から、無理を重ねてしまうことになります。
無理を重なていくと、当然体は強いストレスを受けますので、体の抵抗に屈する形で気持ちは萎えてしまい、せっかくの新しい環境で臨む新しい人生の出鼻がくじかれてしまうというわけです。
ですので、まずは、「慣れる」ということを最優先することです。
新しい環境にいる人たちに「認められる」ことをを優先してはいけません。そのような人たちも、あなたには、まず「慣れる」ことを求めていますから。
まとめ
私たちは、人に「認められたい」生き物です。いわゆる「承認欲求」というものは、誰にでもあることです。
しかし、認められるのを意識するのは、慣れてからでいいのです。慣れていかないと、認められるに値するパフォーマンスを発揮できないからです。
認められるより、まずは慣れること。新しい環境に入ることは、人生においても大きな転換点であり、自身のキャリアにとっても大きなステップです。
その、人生のターニングポイントを成功させるには、高揚する気持ちに振り回されず、まずは、「慣れる」ということです。
慣れる、というプロセスを経て、あなたの新たな人生の旅路は、いよいよ動き始めるのです。