私たちの脳の情報処理能力には限度があります。
情報を記憶する容量、いわゆるスペックというものがあり、情報を活用する力も、無限にあるわけではありません。
それは、コンピュータでも全く同じです。
コンピューターの頭脳に匹敵する、CPUにも、やはりスペックというものがありますし、
人間と同様、いずれは老朽化しますので、無限に働き続けることはできません。
人間もコンピュータも、その能力は有限であるということは、共通しているのです。
しかし、人間とコンピューターには、決定的に違うところがあります。
それは「感情」があるかないかです。
感情がある人間は、入ってくる情報に対して、
嬉しかったり、悲しかったり、腹立たしかったり、といった反応します。
ある情報に接したときに受けた感情によって、その後の行動は違ってきます。
その情報をどう処理するか、すなわち、どう行動するか、が変わっていくわけです。
それに対して、コンピュータには感情がないがために、どんな情報でも無条件に受け入れることができます。
ポジティブ、ネガティブといった偏見を一切持たずに、何の抵抗もなく、情報を受け取るのです。
私たちは、コンピューターのように、冷静沈着に情報を記憶したり活用したりはできないのです。
感情があるかないか、これが人間とコンピュータの決定的な違いなのです。
今後、AIが発達して、私たち生活の中に大きな影響を及ぼすことになります。
無感情で、いつでも冷静すぎるコンピューターに、苛立ちを覚える機会が増えると予想されます。
例えば、自動運転車は、法定速度はしっかり守るし、黄信号できっちり停止するなど、極めて理性的に動くので、
急いでるときに利用していると、イライラしてしまうことも充分あり得ます。
感情のないコンピューターに、感情を持つ私たち人間が振り回されることがないように、
今のうちから、人間とコンピュータの違いをはっきりと認識しておく必要があるでしょう。