新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、マスクの需要が急激に増えたのはご承知の通りです。
そして、全国のスーパー、コンビニ、ドラッグストアから、マスクが消えてしまいました。
その一因として、いわゆる「転売ヤー」と呼ばれる人たちが大量に買い占め、メルカリ、ヤフオクなどのネット通販サイトで「転売」していたことが社会問題になりました。
もちろん、国民は猛反発しましたよね。
そして政府も動き、マスクの転売行為を禁止するとの発表がありました。
荒稼ぎをしていた転売ヤ―が世間の反発を受け、一転して撲滅の危機を迎えたわけです。
巷では、「転売ヤ―ざまあ」「転売ヤー死亡」といった過激なワードがトレンド入りする始末。
楽天では正規価格で販売中!
|
そこで今回は、大ピンチの転売ヤ―のみなさんに、お伝えしたいメッセージがあるのです。
それは何か?結論を言うと、
人を喜ばせることで
才能を活かしてください
ということです。
転売ヤーの顛末に狂喜しておられる方も、冷静になるためにもぜひお読みいただけたらと思います。
それではまいりましょう。
転売ヤ―撲滅へ?の動き
まずは、転売ヤ―をめぐる最近のニュースを取り挙げてみましょう。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍首相は5日、新型コロナウイルス感染症対策本部で、マスクの転売を禁止する方針を表明した。国民生活安定緊急措置法の政令を改正する。10日にまとめる第2弾の緊急対応策に盛り込む。
出典:読売新聞
記事によると、安倍首相は「転売を目的とした購入が、マスクの品薄状態に拍車をかけている」と指摘していて、国民生活安定緊急措置法に基づきマスク転売禁止の旨を新たに制定する方針を示した形です。
現実的には、転売ヤーを法律で取り締まるのは困難です。なぜなら、商品を安く買って高く売ること自体は商売の常識であり、この行為自体は違法性はないからです。
ただし今回は、マスク買い占めによって国民の生活に支障が生じ、転売行為が世論の反発を買っていることが大きな決め手となりました。
国民生活安定緊急措置法とは聞き慣れない法律ですが、これは1973年のオイルショック時に制定されたもの。物価の高騰や経済の異常事態に対処するため、日常生活に不可欠な物資を国が指定し、売買を制限できるとされ、罰則規定も設けられています。
これまで、コンサートチケットが高値でオークションサイトで転売され問題になりましたが、検挙されることはなく罰則もないため野放し状態でした。
しかし今回は、国民レベルでマスクが必要とされる非常事態であり、マスクの不足による悪影響が計り知れないため、法律の適用へと至ったわけです。
今回の決定で、全ての転売行為が禁止になるということではありませんが、世論の広がりを受け一定の歯止めになると見られています。
転売ヤーが優秀な理由3選
では、なぜ転売ヤーは優秀なのでしょうか?
まず、今これだけ転売ヤーが批判されているのは、現実として転売により実際に多数の取引が成立しているから。
批判の声の中には、成功者に対してありがちな「嫉妬」の感情も見え隠れしますが、倫理的に見て正しくない、という見方が強いのもまた当然です。
誤解を恐れずに言いますと、ここで彼らが「優秀」とした根拠は、彼らが紛れもなく「成果」をあげているからに他なりません。
優秀だとは認めたくない方もいるでしょうが、しばらくお付き合いください。
本章では、成果を残した転売ヤーが優秀である3つの理由をお話しします。
世のトレンドを素早く見抜く能力がある
今世間で盛り上がっている話題に敏感で、常にアンテナを張っているのが転売ヤーの特徴であり、最大のスキルと言っていいでしょう。
マスクが品薄になると「事前に読んで」、誰よりも早く出品して先行利益をがっちり得る、という一連の流れが寸分の迷いもなくテンプレ化しています。
彼らは「これを売りたい」というより、「これは(高値で)売れる」という見極め、判断力も抜群です。
いくら自分が興味ないものであろうと、高い利益につながるなら何でもいいと割り切っていて、この思い切りの良さも高い収益を得て稼ぐために必要な思考ではあります。
そしていつ好機がきてもいいように淡々と準備しています。
素早く行動に移すことができる
次に取り上げたいのは抜群すぎる行動力です。
今回のマスクの件は、気がついたら高値で転売されていた、ということで話題に上ったのであり、マスク購入からネット販売開始までの動きがとにかく早いこと。
これは誰でも真似できるものではありません。
これは高く売れるかもという思いがよぎっても、実際に行動に移す人はごくわずか。
しかし彼らは群を抜いた行動力で、着実に利益を得ています。
批判を恐れず販売し結果も残している
マスク転売にあたっては、厳しい世間からの批判にさらされることは最初から分かっていたこと。
後ろめたい気持ちもあったでしょうが、稼ぐという目標を優先し、そして結果を残したことは、ビジネスマンとしては有能です。
商売の世界では、嘘をつかない数字こそが成否を分ける指標ですから。
倫理的な問題は置いておいて、今回の転売商戦で勝利を収めた転売ヤーは、結果を残したビジネスマンであることには変わりはありません。
転売ヤーにおすすめの転職先3選
このような転売ヤーの特性を踏まえ、どのような職種が転売ヤーには適しているかをお話したいと思います。
規制強化により転売ヤーとしては事業撤退しても、あなたが花開く道があります。
あなたが持つ卓越した能力を生かしきれる場所はあります。
おすすめの転職先を3つ選んでみました。
ショップ店員
ネットの世界で荒稼ぎすることができる彼らには抜群の「売る力」と「センス」があることは見逃せません。
ネットでモノを売る実力がある人は、現実世界でも売ることができます。
その能力を、ぜひ実店舗でも発揮してほしいもの。
販売といえば、外回りの営業職もあり得ますが、ネット通販というインドアの仕事で成果を出した人たちですから、インドアの店舗販売が適しています。
顧客のニーズを見極め、最適な商品を提供する。
ぜひ実店舗でも花開いてほしいと思います。
YouTuber
今や職業として認知された感があるユーチューバーですが、転売ヤー経験者でも成功できる下地はあります。
「転売の方法」というテーマの動画はそれなりのニーズはあるかもしれませんが、倫理的に問題のある行為を紹介するのはおすすめしません。
トレンドを分析して何らかのテーマを選び、それに特化したチャンネルを立ち上げれば、行動力と結果へのコミットが抜群な転売ヤー出身者なら、成功することも十分に可能です。
転売ヤーとして成果を出したノウハウをそのままYouTubeでも活かしきればいいのです。
コーチ・コンサル業
さらに、意外に思われますが、人に何かを伝え、教え導く仕事も実は転売ヤーには適しています。
もちろん、倫理性に問題がある転売という仕事から足を洗ってからの話ですが。
というのも、彼らには曲がりなりにも成功体験があり、ビジネスセンスがあるので、彼らの能力自体にはニーズがあるからです。
倫理的に正しいやり方で成功したい人の手助けをすることは有意義なことです。
また、教えるという行為は、承認欲求を満たし、自己重要感を上げます。
せっかくのビジネススキルを、健全なやり方で利益に導くために活用していただきたいものです。
正しく儲けることの本質とは?
誰にとっても、お金があるに越したことがありません。
ある程度のお金が手元にあるのとないのとでは精神の安定は全く違います。
そのために、みんなお金を稼ぎたいと躍起になるのは当然のこと。
世の中には、数限りない稼ぎ方があります。
人に感謝される稼ぎ方です。
一方で人を悲しませ、損をさせ、恨みを買うことは、ビジネスとしては一時的に潤っても長続きはしません。
特に常軌を逸した高値での取引は、どれだけ上質な商品、サービスであっても、購入者の経済的な負担が大きい分、恨みを買いやすいのです。
今回の例でいえば、マスクは誰もが欲しい商品であり、需要があります。
デマを発端に大騒ぎになったティッシュ、トイレットペーパーも同様です。
このような非常事態だからこそ、混乱を避ける意味でも公正に取引がされなければいけないものです。
転売の末高値でマスクを買った人は、一定の感謝もするでしょうが、高値で購入せざるを得なかったことへの不満もくすぶります。
客にモヤモヤした気持ちを遺させるのは、健全な商取引とは言い難いです。
商取引とは、常にWin-Winでなくてはなりません。
相手に損をさせたり後悔をさせてしまうのは、たとえお金を儲けたとしても、相手を喜ばせるという商売の道とはかけ離れたものです。
ビジネスとは、相手があって初めて成り立つものであり、相手を思い、相手を喜ばせることを常に念頭に置かなければなりません。
転売という行為自体に、利用者でない大多数の国民が嫌悪感を明白に示しているのですから、そのようなものを生業にしても誰も幸せにはなれません。
消費者を喜ばせる、というビジネスの基本に立ち返っていただきたいものです。
おわりに
というわけで今回は、転売ヤーのみなさんにお伝えしたいメッセージを紹介させていただきました。
今回規制の対象とされるのは一部の転売行為のみであり、転売自体が全面禁止になったわけではありません。
今後も、コンサートチケットなどを高値で取引される転売行為は行われることでしょう。
ただ、今回大きな社会問題になったことで、お互いがハッピーになれる正しい健全な商取引とは何かが認識され、「喜ばれないビジネス」が見直される機会になればと願うばかりです。