在宅勤務だからハンコはもういらない!?【そもそもなぜ必要?】

テレワーク
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在宅勤務が浸透してくると、会社に出勤する機会はどんどん減っていきます。

そんな中、これだけのために出社をしないければいけない…という場合があります。

それは、

 

書類にハンコをもらう

 

という業務です。

たったこれだけをするために、わざわざ会社に出向かないといけない、というのです。

これだけのために会社に行かなきゃいけないのでめんどくさいよ

 

と不満に思う方もいることでしょう。

そこで今回は、在宅勤務を導入しているのにいまだに捺印で決裁が行われる現状を取材した記事をご紹介しながら、

 

・そもそもなぜハンコが必要なのか?
・ハンコの文化はなくならないのか?

 

といったことについて考察していきたいと思います。

 

どうぞ最後までお読みいただければと思います。

 

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在宅勤務なのにハンコをもらうためにわざわざ出社

まずは、2020年4月にNHKで報じられたこちらの記事をご紹介します。

 

急ピッチで在宅勤務を進める企業にとって、ネックとなっているのが印鑑です。契約書に印鑑を押すため、今も出社を迫られる会社もあります。

出典:NHK

 

新型コロナウィルスの感染拡大防止のために、各企業で在宅勤務が推し進められているのは周知のとおりです。

この記事に登場する東京都品川区のIT企業「アステリア」もそのひとつ。主な取り組みとして、

・代表電話の対応を外部委託
・社内決裁をすべて電子化
・70人の従業員のほぼ全員を在宅勤務

などを進めてきました。

これだけなら、もはやハンコの出る幕はなさそうなのですが、まだまだありました。

それは、「契約書への捺印」です。

電子契約への切り替えを依頼した取引先のうち、8割を説得できたもののまだ2割の企業では契約書に印鑑が必要という現状で、4人の社員が在宅勤務中にも関わらず定期的に出社を余儀なくされ、書類を作成して印鑑を押すという旧来型の業務をこなしています。

社長も週に1度、印鑑を押すためだけに出勤していて、取材が行われた10日も、社長と経理担当の社員が契約書に社長印を押す作業に追われました。

同社の平野洋一郎社長は「電子契約が簡単にできることを伝え、全社でテレワークができるようにしたい」と述べ、4月中に取引先への説得を終え、電子契約を導入して完全な在宅勤務体制に切り替えるとのこと。

なおこの電子契約は、

 

・社内のコンピューターに記録を残すしたうえで
・電子印鑑を押した文書を暗号化して相手に送る

 

というシステムです。

 

 

なぜハンコが必要なのか?

そもそも、なぜハンコは必要なのでしょうか?

 

もう印鑑なんかやめて、
欧米みたいにサインだけでいいじゃない?

 

と思いたくもなりますよね。

本章では、印鑑が必要な理由を挙げていきましょう。

 

印鑑とは信用を証明するもの

契約書や各種の行政文書、書類などに必要なハンコは、役所から「印鑑証明」をもらっていますよね?

普段あまり意識しないこの印鑑証明ですが、「公的機関から正式に認められたハンコ」ということで、その所有者の信用を担保する役割を持っています

ハンコを押すことで、その契約書の効力は絶大になり、あとからやり直しが効かなくなりますよね。

ハンコの所有者の信用が認められ、後戻りできない責任が発生するわけです。

対して、サイン契約の欧米ではどうでしょうか?

契約書を見ると、本人たちのサインとともに、「Witness」と呼ばれる第3者のサインがあります。

これはいわゆる「公証人」というシステムで、膨大な人数を要します。

毎度毎度、法的に認められた人物が同席しないといけないとなると、これでは契約がスムーズに進みづらいですよね。

その点日本では、当事者のみの出席で契約が成り立つのは、印鑑が社会的にオーソライズされているからに他なりません。

その所有者として、責任あるもの同士の契約が、中立的な第3者なしでも成立できるシステムが長年定着しているわけです。

第3者である役所が証明する印鑑に、大きな価値があるのです。

 

本人不在でも印鑑があれば契約可能

印鑑が信用を担保する日本の契約社会の大きなメリットとして、「本人がいなくても契約ができる」ということが挙げられます。

ビジネス契約の場合、本来は社長が押すべき社印を、かわりに社員が押す、ということは普通にありますよね。

家族の実印でも同じで、本来は一家の長である旦那さんが押すべきところを、奥さんや子どもさんが代わりに押す、なんてことはざらにありますよね。

これがサインのみの契約だと、必ず社長や旦那さん本人が出てきてサインしないといけないわけです。

日ごろから多忙な経営者であれば、細かい契約や書類でもわざわざ出向かないといけないのは面倒に感じるもの。

ハンコを押す契約であれば、押すのは誰でもいいわけで、本来は手間をかけずスムーズに進む、仕組みでもあるわけです。

 

儀礼を重んじる日本らしい風習

ハンコを押す時って、厳粛な雰囲気があります。

とくに契約相手が目の前にいる時はそうですよね。

上下が逆にならないように押す直前に確認したり、薄くならないようにしばらくぎゅっと押し続けたりしますよね。

あの独特な空気感は、重い責任が生じることを双方が実感する「儀式」と言ってもいいもの。

双方が慎重に押したくっきりとした印鑑を確認すると、ほっとするものですし、お互いの信頼関係がますます高まったような感覚にもなれます。

礼儀を重んじる日本社会に溶け込んでいるのがハンコ文化と言えるでしょう。

 

 

ハンコのいらない時代はやってくる?

とうわけで、ハンコを押す文化は日本には根強く残っていて、信用社会を形成するのに今でも欠かせないアイテムと言えます。

印鑑や手書きの署名に代えてインターネット経由で書面をやり取りする電子契約を一部でも導入している日本国内の企業は、ことし1月時点で43.3%にとどまっていると、電子契約の運用に関わる日本情報経済社会推進協会が発表しています。

実際に、テレワークを推進している首都圏のIT企業などで構成される「TDMテレワーク実行委員会」によると、参加企業の約9割で、印鑑を押すために出社をしているのが現状とのこと。

現状ではまだまだ、印鑑を使用する習慣が根強く残っていて、完全な「ハンコなし社会」が到来するかはまだ不透明です。

今後は、電子印鑑が広く認知され定着してなおかつセキュリティー面の問題もクリアできれば、電子契約も一般化すると思われますが、現状ではまだその道のりは遠そうです。

 

 

おわりに

今回は、在宅勤務が進むにつれてハンコを押す文化がどうなるかについてお話してきました。

ハンコを押すためだけに出社するのは確かに面倒ですが、ハンコ文化は日本の長い歴史になかで定着した信頼構築のシステムであることもまた事実。

テクノロジーの進歩と共に、ハンコのありかた、使われ方が変わり、信用社会を維持しながら最適化されるのを期待したいところです。

 

 

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