佐賀のアーティスト3傑を紹介!自分らしく生きる芸術家【2019年版】

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私が住んでいる佐賀は、実は優秀なアーティストの宝庫です。

佐賀県といえば、人口は約81万5千人 (2019年6月1日現在)で、減少傾向が続いており、経済的には活発とは言い難いのですが、その一方で芸術分野はとても盛んで、多くのアーティストを世に送り出しています。

今回は、2019年夏に私が特に強く印象に残った3人のアーティストをご紹介して、彼らの卓越した創造性と自由闊達な生き方にふれていただくとともに、「芸術県」佐賀のポテンシャルについても語っていきたいと思います。

 

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佐賀のアーティスト3傑

それでは、本サイト読者の皆様に、佐賀が生んだ3人の傑出したアーティストをご紹介します。

山口芳水

出典:書道家 山口芳水

山口芳水さんは、佐賀市在住の書道家。書道教室を主宰し、日本の伝統文化である「書」の素晴らしさを次世代に伝えていきたいと、子どもたちを中心に書道を教えています。

NHK佐賀の番組コーナー「美文字講座」の講師を担当するほか、サッカーJ1サガン鳥栖のスローガン題字を手掛けるなど、書道家としての活動を続けながら、近年は現代アートにも進出しています。

2018年に国立新美術館(東京都港区)で行われた公募展「第4回躍動する現代作家展」で「貪欲」をテーマにした作品群「G series(ジー・シリーズ)」を発表し、最優秀賞を受賞して全国的にも脚光を浴び、2019年10月にはフランス・ルーヴル美術館での出展が決定しています。

最新作は、縦1.3メートル、横3メートルの書画「Capture the times(キャプチャー・ザ・タイムズ)」。サッカーJ1・サガン鳥栖の運営会社「サガンドリームス」の初代社長で、人材会社「クリーク・アンド・リバー」社長の井川幸広さんからの依頼を受け、「クリーク・アンド・リバー」にちなみ「水」をテーマに描き上げたもので、佐賀市富士町内の嘉瀬川上流が流れる山間部を制作場所に選び1日で完成させたそう。

そのほか、「純白」をテーマに、人気アニメキャラ「ドラえもん」のフィギュアを白く塗った「招きドラえもん」や、ブランドバッグを真っ白に変え無垢(むく)な姿に生まれ変わらせた「reset(リセット)」などの作品も自身のギャラリー「NOART(ノーアート)」で公開しています。

 

冨永ボンド

出典:冨永ボンド | 接着剤で絵を描く現代アート作家 | 佐賀県多久市

佐賀県多久市在住の冨永ボンドさんは、世界で唯一、木工用ボンドを使って描く画家で現代アーティストです。

冨永さんの創作テーマは、つなぐ(接着する)。「ボンドアート(登録商標)」と呼ばれる独自の画法は、海外でも高い評価を受けています。

冨永さんの活動で特質すべきは、アートと医療を融合した活動を行っていること。病院や就労支援施設等に出向き、「ボンドアートセラピー体験会」というオリジナルのプログラムを年間約50回開催しています。冨永さんによると、「アート創作が人の脳や心に与える影響やアートと医療をつなぐことが何故人にとって良いことであるのか」を模索中とのこと。

多久市に移住した2014年には、広さ約100坪の巨大なアトリエ「Art studio ボンドバ」を創設し、制作の本拠地としました。BARカウンター・ラウンジスペース・DJブースなども併設し、誰もが気軽にアートと音楽を楽しむことができる「他には無い」まちづくりの拠点となっています。

世界一影響力のある画家となり、日本の精神医療福祉の分野を支援することが目下の夢。「アートに失敗はない!」をキーフレーズにしています。

 

牛丸和人

出典:牛丸和人 神仏画展

画家で西九州短期大学幼児保育学科教授も務める牛丸さんは、神仏を題材にした油彩画や掛軸(かけじく)を制作しています。

天照大神、日本武尊など日本神話に登場する神々と、慈母観音など仏典に登場する仏像を独自の画風で精巧に描き切った作品を発表しています。

 

佐賀にはアーティストが育つ土壌がある

このような超個性的で卓越した芸術性を創出する要因はどこにあるのか?そのヒントは、佐賀が潜在的に持つ「優位性」にあります。

人口が少ない

前述の通り、佐賀は人口は約80万人と少ないですが、それと同時に人口密度が少ないのが、実は創作活動においては大きな利点です。

その利点とは具体的には、創作家にとってとても重要な「パーソナルスペース」を確保しやすいということ。

制作に没頭し満足のいく作品を仕上げるまでは、誰にも侵されない自分の時間と環境を確保しないといけません。アートとは「自分と向き合う」瞬間を目に見える形で投影したものなので、自分と対話できるのに十分なスペースは欠かせないのです。

そして必要あらば、自他を区切っていた境界線を外して他人の協力を仰ぎ、時にはコラボする。さらに自己と向き合うためにまた境界線を引く。この柔軟性は、人口密度の低さゆえに有効に作用します

このように、自分と他人の適切な距離感を取りやすいのは、佐賀県民だからこそできる強みなのです。

自然に恵まれている

これもアートが育つ重要な要素です。緑に囲まれ、海も近く、何より空気が新鮮な場所では秀逸なアートが生まれやすいです。自然界が発するエネルギーを吸収して、パワーに変えることができるからです。

佐賀は農業県、漁業県でもあるので、海の幸、山の幸が豊富で食生活も優雅に楽しめます。創作に欠かせない「健康」な状態を心身ともに維持できる環境が佐賀にはあります。

もちろん都市部だからこそ育つアーバンアート、モダンアートも存在しますが、田舎という特性を十二分に活かした芸術性を、田舎県佐賀は育んでくれるのです。

控え目な県民性なので突き抜けた人が目立つ

田舎県の特徴でもあるのですが、佐賀の人々は全体的に控え目です。周りを気にして角が立たぬよう、平均的で安定したポジションに落ち着きたがるとも言えるのですが、波風を立てない平和愛好的な県民性とされています。

それゆえに、個性を強烈に発揮する人はとにかく目立ちます。アート作品という武器を引っ提げて自らの人間味を表現できる人は、すぐに平均的な人並から突き出ます。

さらに人口が少なく都心部ほど激しい競争にさらされないことも手伝い、目立ちまくって注目を受けやすいがために、それが励みとなり自信となって、さらにハイレベルな創造性を発揮できるというわけです。

 

企業と一体化した取り組みも

2019年夏、イオン佐賀大和店が「美術館」となり、アート鑑賞とショッピングが一体化するという試みが行われました。

「イオン佐賀大和美術館」を取材した記事↓↓

 

企業側としては、地域貢献活動につながり、新たな買い物客を創出する導線にもなり得ます。

アーティスト側にとっては、これまでは旧来型の美術館やアートギャラリーでしか発表に場がなかったのに、多くの買い物客でごったがいする空間で作品を見てもらえる機会ができたことで、知名度の向上も望めますし、活動の幅が広がり新たな創造にインスピレーションが浮かび上がるきっかけにもなります。

 

おわりに

今回紹介した3傑はあくまで2019年8月時点の個人的な「推し」です。もちろん私がまだ知らない優秀なアーティストが他にもきっといらっしゃることでしょう。

次に類似した記事をお届けするときには、さらに光るタレントを秘めた新たなアーティストをご紹介できるかもしれません。いや、できるものと確信しています。

佐賀は次から次へと優秀な人材を輩出しています。今後どのような斬新で魂を揺さぶられるアートが登場するのか、今から楽しみです。

 

 

 

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