私たちは、叱られる、ということを、できれば避けたいと思います。
できるだけ叱られることのない環境に、身を置きたがります。
しかし、叱られる、ということが珍しい日常になってくると、
いざ叱られたとき、精神的な落ち込みが大きくなります。
叱られる時、というのは、相手の感情をぶつけられる場合がほとんどです。
感情をぶつけることなく、論点だけを率直に指摘する、というのが、理想的な叱り方であるのですが、
このような叱り方ができる人は、残念ながら極めて少数で、
ほとんどの場合、叱るという行為には、叱った人の怒りや悲しみ、悔しさなどの感情が乗っかってくるのです。
だから、誰しも、叱られることを本能的には嫌うわけです。
叱られるだけならまだしも、感情をぶつけられるのは、こちらの感情に傷がつくため、
叱られた内容ではなく、叱られたこと自体が頭に残り、
長期間引きずってしまうことになってしまうのです。
なので、叱られることを避けたがるのは、当然なのです。
叱る人というのは、叱ったときの態度を相手に印象づけるのではなく、
叱った内容を、相手に記憶してもらう叱り方を心がけないといけないということです。
しかし、現実には、そのように叱ってくれないことが多いわけですから、
たまには叱られたる経験をすることで、免疫力をつけておく、ということも、
自分のメンタルを崩されないためにも、必要という考え方もできるわけです。
もちろん、叱られることがあまりに日常茶飯事になってはつらいですが、
ごくたまに叱られることもアリ、ということを受け入れることで、
いざ叱られた時に、叱った人が発した理屈を受け止め、感情は受け付けない、という感覚を鍛えることができます。
感情は受け付けない、というのは、相手の立場や状況を知ることで、徐々にできるようになりますので、
経験が必要なので、たまに叱られることがあってもいい、という発想になれるのです。
叱られるのは、嫌なことではありますが、たまに叱られることは、
相手の理屈と感情を分けて、自分のメンタルを守るためのトレーニングをする機会になるのです。