人間関係を難しくしているものはなんでしょうか?
それはなんといっても、「気持ちのズレ」が起きる、ということです。
それは、自分が相手に求めていることと、相手が自分に求めていることが異なる時に発生します。
自分の気持ちと相手の気持ちが一致してしない、ということです。
親子関係や夫婦関係、恋人関係など、自分と特に近い関係にある人ほど、
お互いの人生に深く関わっているだけに、
相手に対して、様々なことを求めがちになります。
そして、そんな中で、しばしば生じる現象があります。それは、
自分が1番言いたいことは、相手にとっては、1番言われたくないこと、ということです。
例えば、「〇〇しなさい」という、相手への助言が、相手にすれば、最も耳が痛い、聞きたくないことであったり、
「〇〇してはいけない」という忠告が、相手にすれば、最も邪魔くさい一言であったりします。
身近な存在であるがゆえに、つい本音が出てしまいます。
自分が1番言いたいことであり、相手のため、という大義名分があるため、気分がスッキリします。
しかし相手にとっては、1番言われたくないことをピンポイントで言われるため、遺恨が残るのです。
でも、自分が1番言いたいことは、相手にとっては1番言われたくないこと、ということが起こり得るということを知っておくと、
それと全く逆のことも起こる得ることにも気づけます。それは何かというと、
自分が1番言いたくないことは、相手にとっては1番言ってほしいこと、ということです。
自分の本音と逆のことを言うと、相手が喜んでくれる、ということもあるのです。
ここに人間関係を良くするヒントがあります。
関係が近い人との会話では、とにかく、自分が言いたいことを言いたくなります。
しかし、変化球として、自分の本音ではないこと、あまり言いたくないこと、言うのが照れくさいようなことを、言ってみることで、
それがかえって、相手の気持ちにダイレクトに届くことがあるのです。
近い間柄であればあるほど、良好な関係を維持する工夫をしていかないといけません。
ストレートな思いをぶつけるだけでは、気持ちが通い合わないことがよくあるのです。
時には本音とは逆の言葉を投げてみる、という硬軟取り混ぜた会話のキャッチボールによって、
人間関係は、保たれていくものなのです。