どうしてもこの人とは気が合わない、という人は残念ながら存在していて、人生の節目節目に登場します。
付き合う人を前もって選ぶことができない職場では、嫌でもそのような人と出会い、共に仕事をしていかないといけません。

職場のある同僚は、動きは遅いし人の話は聞かないしマイペースすぎて困る!
とか、

お局さん的な先輩がいて、いつもガミガミ言われてもうやってられない!
などと、愚痴のひとつやふたつ言いたくなるものですよね。
では、どうして「気が合わない」という関係が成り立っているのでしょうか?
結論から言いますと、タイトルに出ている通りですが、
引き出し合っている
ということに尽きるのです。

私はそんないじわるなことをした覚えはないよ!相手からそうされたことはあるかもしれないけど…
とでも言いたくなりますが、実は双方ともよくない影響を与え合っているのです。
今回は、この結論の意味についてお話していきたいと思います。
よくない部分を引き出すとは?
お互いに良くない部分を引き出すの「よくない部分」とはどういうことかと言うと、人に見せたくない部分です。
言い換えると、気の合わない人と接している時は、普段は隠している部分が表に出ることがあります。
例えば、本当は気が短いんだけどそれを隠して穏やかにいることを心がけている人がいるとします。
そんな人が、誰かの発する一言やちょっとした行動でついムカッとして、言葉や態度に表れているとき、その誰かとははっきり言って気が合いません。

あの人と話していると、何かイライラするんだよね…
イライラするという、自分にとって好ましくない態度が出ているのは、全ての人に対してではないはずで、自分でも「なぜこの人に…」と思ってしまうこともあります。
さらに、

別に嫌いではないんだけど、正直言って同じ場所にずっといたくない人がいるの。
よく「生理的に苦手」という表現が使われますが、意味があいまいですよね。なぜだかわからないけど、誰かに対して心が拒否反応を起こしているときってあります。この拒否反応は、

なんか冷たい態度とっちゃうんだよね。そしたら相手からも冷たい態度で返されるけどw
それは本当はしたくない「邪心」であって、ふと拒否している自分自身に違和感を感じることさえあります。
というように、自分の中で「嫌な部分」が顔を出していると気づいたとき、その相手とは「気が合わない」ということになるわけです。
性格が似てても気が合わない?
この人とは気が合わない…
そう感じている人がいるとして、こんな経験はありませんか?

あれ、この人とは性格的には似たタイプなのに、なんか意見が合わないな。
おかしいですよね。似た者同士なのに気が合わないなんて…
例えば自分と同じような明るくひょうきんな人だったり、内向的な人だったりと、共通点が多いはずなのに、なぜか意見が食い違ったり、ちょっと相手のおかしなところが目についたり…などといったことが起こることがあります。
もちろん、人間全く同じ人はいないわけで、なにかしら異なる点があるのは当然ですが、同じようなカテゴリーのキャラクターなのにギクシャクしてしまうのは、相手の気持ちが察しやすいからです。
その場合、相手の行動の意図がわかるので、さも自分を見ているかのような錯覚になるのです。心理学には「類似性の法則」というものがあり、自分と似た人、または似たものに対して好感を抱きやすいことをいいます。これを逆の面からみると、相手のよくない部分=自分のよくない部分でもあるので、嫌悪感を抱き遠ざけてしまうわけです。
気が合わない人との関係を改善させるには?
では、気が合わない人とどう接していけばいいのでしょうか?
これはいつの時代でも変わることのない永遠のテーマと言えるわけですが、答えは既に出ています。
ということです。
具体的に言えば、
ということになります。
よくしたいものを共有できれば、個々の人格の相違を越えて、大きな目的のために心を一つにできます。
同じ目的に向かって歩んでいる、という意識が先に立てば、気が合わないとうことがどうでもよくなり、「むしろ当然」という感覚になります。
お互いの考えの違いを乗り越え、むしろそれを武器にして、ひとつの目的に向かって手を携えていこう。この認識があれば、気が合わない人とも付き合えることができます。要はものは考えよう、ということですね。
おわりに
「多様性を認めよう」というフレーズが叫ばれるようになり久しいです。お互いの違いを受け入れることに努めても、どうしても気が合わない人は現れるもの。
しかし、今回ご説明した、気が合わない理由や対策を「知っておく」だけでも、心の余裕が生まれます。
要は、気が合わない人の存在そのものを嘆くのではなく、気が合わない人から受けるストレスを減らすことが大切なのです。