【百折不撓】将棋の木村一基が史上最年長46歳でタイトル獲得【遅咲き】

囲碁・将棋
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今日は将棋の話題をさせていただきたいと思います。

将棋の8大タイトル戦のひとつ「王位戦」で、挑戦者の木村一基九段が豊島将之王位を4勝3敗で下し、悲願のタイトル奪取となりました。

将棋の木村一基九段(46=写真=)が26日、東京都内で指された第60期王位戦7番勝負最終局で豊島将之2冠(29)に勝ち、4勝3敗で王位を奪取、初の8大タイトル獲得を決めた。【時事通信社】

出典:時事ドットコム

一見すると、将棋のタイトル戦において挑戦者がチャンピオンを破りタイトルを奪ったということで、将棋界では日常的な光景ではあります。

しかし今回のタイトル奪取劇はいつもと一味も二味も違い、将棋ファンの間に感動が広がっています。

今回は、ファンのみならず、たまたまこの記事にアクセスいただいた将棋にあまり興味のない方にも、ぜひ木村王位の快挙とその裏側のストーリーを知るきっかけになれればと思っています。

 

 

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タイトル獲得の史上最年長記録更新

木村新王位(九段)は「千駄ヶ谷の受け師」との異名をとる人気棋士。ちなみに千駄ヶ谷とは東京将棋会館が位置する東京都渋谷区の地名で、受け師とは守り中心の「受け将棋」を得意戦法にする棋士のこと。

現在、将棋界の上位10名による最高ランク「A級」に在籍している強豪です。

そんな棋士のタイトル獲得ですから、実力相応であり本来なら驚きはないのですが、今回のタイトル奪取劇は将棋界にとっては歴史的瞬間でした。

将棋の王位戦七番勝負第7局が9月25・26日に東京都千代田区の「都市センターホテル」で行われ、挑戦者の木村一基九段(46)が豊島将之王位(名人、29)に110手で勝利し、シリーズ成績4勝3敗で王位のタイトルを獲得した。46歳3カ月での初タイトルは、従来の記録を9歳近く更新する、史上最年長記録。多くのファンから愛される“中年の星”が、悲願達成で大きく輝いた。

出典:Abema TIMES

これまでの記録は、昭和48年に棋聖を獲得した有吉道夫九段の「37歳」でした。40代での初戴冠は史上初。いかに将棋界で年齢を重ねた棋士がタイトルまで勝ち上がるのが困難かがわかります。

事実、現在将棋界は藤井聡太七段をはじめ若手棋士が席巻していて、前王位の豊島将之名人はじめ20代の棋士のタイトル獲得が続いてきました。そんな中で46歳の中年棋士が、現役名人を破ってタイトルを奪ったことは、中年層にとっては痛快なニュースです。

 

7度目の挑戦でようやく悲願達成

そして今回のニュースのもうひとつのポイントは、木村九段が実に7度目の挑戦で「ようやく」悲願を達成したことです。

タイトル目前まで来ているのに勝てない…

なかなかタイトルを獲得できない木村九段に、ファンはやきもきしていました。

木村新王位は過去6回、タイトルに挑戦してきたが、2009年の王位戦で深浦康市王位(当時)相手に将棋史上2人目の3連勝4連敗を喫するなど、全て敗退。「タイトルには縁がないと思っていた。(初獲得は)うれしいが、今回はタイトルを意識していなかった」と明かす。プロ入りして22年5か月、7回目の挑戦での悲願達成だった。

出典:読売新聞オンライン

さすがに6回も挑戦して一度も勝てないとなると、普通は心が折れますよね。特に木村さんの場合は、あと1勝でタイトル獲得!というところまできてなんと7連敗していたのです

ここまでくると、私のような豆腐メンタルでは、将棋を続ける気力はなくなりますね(笑)。

長年将棋を見てきたファンからすると、「将棋界で一番かわいそうな人」というのがほぼ共通認識でした。今回7回目のタイトル挑戦でしたが、「またかわいそうな姿をみせられるかも」との一抹の思いを秘めてタイトル戦を見守った人も少なくなかったでしょう。

 

「将棋の強いおじさん」に声援が集まっていた

というわけで、あと一歩のところで何度も涙を呑んできた木村九段のつらく落胆した表情を、ファンは何度も見せられてきました。前回の挑戦から3年。7回目のチャンスが訪れたとき、「今度こそタイトルを取ってほしい」というファンの期待は最高潮に達していました。

軽妙な話術を駆使して解説者としても人気が高い木村さんは、いつぞやからファンから親しみを込めて「将棋の強いおじさん」と呼ばれるようになりました。

あれほど数多くの屈辱にまみれた棋士人生を歩んでいたのに、底抜けに明るいキャラクターでファンを楽しませてくれる木村さんに、多くの将棋ファンは敬意を抱くようになったのです。

木村王位誕生の前後から、木村さんを祝福するファンのツイートが多数投稿されたのをはじめ、現役棋士や将棋関係者までも喜びのツイートを投稿し、ついに「#木村王位」がトレンド入りを果たすまでになりました。

 

大器晩成の秘訣は?

いったいいかにして、快挙を成し遂げることができたのでしょうか?木村王位の活躍に見る、大器晩成の秘訣をまとめてみました。

経験の蓄積が実力を高める

体力面の衰えにより若手にポジションを奪われることの多い一般的なスポーツ競技に比べ、将棋が選手寿命が長い競技です。

羽生善治九段を筆頭に、40代以上の棋士も多数活躍していますし、ひふみんの愛称で人気の加藤一二三九段に至っては、なんと77歳まで現役棋士として戦い続けました。

彼らが実力を保持できるのは、これまでの経験の蓄積が財産になっていることが大きいです。勝敗を分ける緊迫した局面で、これまでの経験値が大いに活きているのです。

今回の王位戦第7局でも、序盤は研究家として知られる豊島王位が主導権を握ったのですが、中盤以降は木村九段の老獪な差し回しが功を奏し、最終的に競り勝ちました。

遅咲きを願う人に支えられる

木村新王位にとって、「今回こそタイトルをとってほしい」と願う人々の応援は、大きな支えになったことでしょう。

高齢化社会となった今の時代、年配者が何かに挑戦するときは、同年代から上の人口の多い世代の応援を受けやすいです。スキージャンプの葛西選手、女子マラソンの福士選手のように、レジェンドと言われている人は、中高年層から熱い支持を集めています。

ファンの応援は対局場にいれば目の当たりにはできませんが、この目に見えない力は、実力を出し切ることを手伝うばかりか、奥底に秘めた力さえも引き出す原動力にもなります。

しかるべきタイミングに必ず花は咲く

世の中には、早く成果を求める風潮がいまだに強くあります。誰でも、できることなら1日でも早く自分の望む成果を出したいと考えるのは自然なこと。

しかし、なかなかそううまくはいかないが現実。でもそこであきらめずに、いつか花咲くことを信じて実力を積み重ねていった先に、大輪の花を咲かせる「必然性」が訪れるのです。

花が咲くタイミングにはそれなりの理由があるのです。木村王位は、今花を咲かせたことで「中年の星」となり、多くの人々に勇気と希望を与えることになりました。様々な苦労がありましたが、今こそ木村王位誕生のベストタイミングだったことになるのです。

もちろん、途中であきらめて別の道に進んでも、その道で花が開くこともあります。これは科学では照明不可能なことですが、様々な成功者の例を見るまでもなく、人生においてその人にとってベストなタイミングで花が咲くようになっているものなのです。

 

おわりに

悲願を達成した木村王位を、心から祝福したいと思います。

そしてこれからも、熱戦を通して将棋の醍醐味を見せていただき、ファンを楽しませていただければと思います。今後の益々のご活躍をお祈りいたします。

 

 

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