将棋の羽生善治九段が最多勝利記録更新!フリーランスの最高のお手本!

囲碁・将棋

将棋の羽生善治九段が6月4日の対局で勝利し、通算勝利数が1,434勝となり、大山康晴十五世名人を抜き史上1位になりました。これはとてつもない偉業です。

羽生九段は、中学生でプロデビュー、1989(平成元)年に初タイトル(竜王)を奪取以来、実に通算99期獲得してきました。1996年には当時の7大タイトルを独占したこともあります。平成の将棋界はまさに羽生時代だったと言っても過言ではありません。

令和時代を迎え、48歳になった今でも、将棋に対する探究心は衰えず、第一線で活躍しています。そんな羽生九段の言動、生き様は、ビジネスシーンにひとりで戦うフリーランスに大いに学ぶところがあります。

今回は、羽生九段の偉業達成を心から祝福するとともに、現代において個人で戦ううえでとても役立つ将棋棋士の思考法をご紹介していきたいと思います。

 

スポンサーリンク

目の前の勝負に全力集中

将棋は徹底して自己責任の世界です。スポーツでは、試合中の(ハーフタイムなどの)インターバルや、タイムをとるなどしてコーチ(指導者)のアドバイスをもらう、ということはよくありますが、将棋に関しては、対局中は誰もアドバイスしてくれません。ダブルスもありませんので、最初から最後まですべて自分一人で戦い、負けたという事実も一人で受け入れなければいけません。

そういう意味では、結果を出すまでに様々なアドバイスを受けることができるフリーランサーよりもはるかにシビアな世界と言えます。まさしく、目の前のひとつの勝負に全人生を賭けて挑んでいるわけです。

ひとつひとつ勝つことで道が開ける世界ですから、2戦先、3戦先のことより、まず何を差し置いてもいまここにある課題に全力を傾けることを、ひたすら繰り返しているのが羽生九段ら将棋棋士なのです。

今、ここ、に最善を尽くす

そして自分がいくら頑張っても、勝てるとは限らないのがまたこの世界の厳しいところ。勝負には実力のみならず、当日の健康状態や相手との相性、時の運なども絡んできます。

毎回毎回自分を取り巻く状況が異なる中で、目の前のことに、自分にできることをやりつくし、いかなる結果になろうとも潔く受け入れる。まさに、人事を尽くして天命を待つ、ということです。

フリーランスも、いつどこで誰と仕事をするかで、運命は変わっていきます。自分でコントロールできないことはどうしようもありません。できることは、目の前の仕事や課題に対し、自分にできる最善を尽くすことのみです。

ひとつの勝負(仕事)に全力投入し、結果を出すことで次の勝負(仕事)につなげることができ、それを延々と繰り返すという点で、両者は全く同じ。そういう意味では、将棋界で最高の結果を残してきた羽生九段は、個人事業者の偉大な先輩であり、生きる教材そのものです。

目標を設定しない

このように、厳しい勝負の世界に生きているので、はっきり言って数年後はどうゆう状況になるかわかりません。もちろん、勝ち続けてありとあらゆる大会で優勝できれば最高なのでしょうが、なかなか現実はそうはいきません。羽生九段でさえ、通算勝率7割以上といっても、裏を返せば、3割ほどは負けているわけですから。

さらにAIの発達により、将棋の研究が目覚ましく進歩し、最新の戦法も次から次へと編み出されています。藤井聡太七段ら若手棋士の台頭も著しく、羽生九段といえども、この先どうなるかは予測できません。

フリーランサーでも同じ。時代の進化のスピードはめざましく、5年後どころか1年後どうなるかは正確には読めません。予想通りにいかないことの方が多いでしょう。今全力で組んでることが、3年後には全く役に立たない、ということも残念ながら起こり得ます。

長期目標の設定が困難な時代

ビジネスにおいて、5年後、10年後、5年後と、長期的な目標を設定することはあるでしょう。しかし、これほどまでに変化の激しい、1年後さえも見通すのが困難な時代です。そしてどんなビジネスマンでも生身の人間。目標未達成が続く呉、誰でもダメージを受け、自己肯定感も下がります。

羽生九段はこう述べています。

「1年後に、想像もつかなかった自分に出会いたい」。

これぞ、目標をあえて設定しない思考法です。日々進歩する過程の先に、自分でも思いもしなかった未来を引き寄せる、ということが、先の見えない時代に有効な目標設定に対する考え方のように思います。

5年後、10年後、20年後も今と変わらぬ世の中であれば、長期的スパンの目標を設定することも一考でしょう。しかし現実はそうはいきません。時代の変化に応じて私たちも柔軟に動かねばならず、設定した目標の存在に縛られると、かえって行動の足かせになりかねないのです。

年齢と共に捨てていく

このような不確実な時代にあって、既存の価値観はどんどん重荷になります。5年前に通用した価値観が現代にはまったく通用しない、ということは今は頻繁に起きています。将棋で言えば、5年前に流行して勝率も高かった戦法が、今は研究されつくして勝てない戦法になった、ということが日常的に起きています。

年を重ねると経験値は増えます。それは大きな武器になるのですが、同時に様々なことを吸収してきたので、パンク状態にもなっています。不要な経験や知識もまた蓄積されているのです。

そこで、それらを取捨選択して、捨てるべきものはきっぱりと捨て切って、自分のメンタルをスリムにシンプルに整える必要があります。

年を重ねると、「何を得るか」よりも「何を捨てるか」がより重要になります。

これを羽生九段は徹底的に重視してきました。既存の価値観を思い切って捨て、新たな価値観を受け入れる(または自ら創り出す)。コンスタントに活躍している結果が、それを裏付けています。

 

現状をみつめ謙虚になる

昨日の対局の前に興味深いシーンがありました。

対局室に姿を現した羽生九段が、先に到着し下座に座り待機していた対戦相手の永瀬拓矢叡王(えいおう)に上座を譲ったのです。

当然ながら、これまでの実績ではだれがどう見ても羽生九段が格上です。なにせタイトル獲得99期vs1期の対戦ですから。しかし現在は無冠の羽生九段が、タイトル保持者の永瀬叡王に上座を譲ったことに、羽生九段の現状認識からくる謙虚さが見て取れます。

過去の実績が偉大であれば偉大であるほど、人は尊大になります。ありとあらゆる人が自分に敬意を表するようになりますから。「自分は人よりも上」という快感は、誰にとっても心地いいものなのです。しかし羽生九段は現在の状況を優先し、相手を立てる姿勢をとりました。このあたりに、羽生九段のバランスの取れた人間性を垣間見ることができます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は将棋の話題でしたが、厳しい勝負に挑む個人競技である将棋は、個人ベースで働き、そして稼ぐフリーランスに通じるところが多く、その生きざまはとても勉強になります。

改めて、30年にわたり第一線で活躍し続ける羽生善治九段の偉業をたたえると共に、これからの益々のご活躍を祈念する次第です。

 

タイトルとURLをコピーしました