こんにちは、おかもとたかし(@tak_okam)です。
今回は、クラウドソーシング大手「クラウドワークス」がリリースした調査結果と提言についてお伝えしたいと思います。
これは、同社が1,400人のフリーランスに対し緊急全国調査を実施したことを踏まえての発表です。
いきなりその結論から言いますと、
収入減との結果を受け
幅広い層のフリーランスへの
「現金給付」を提言
ということです。
クラウドワークスが以下のようなプレスリリースを出しました。
労働市場のミスマッチを無くし、アップデートする事業を展開する株式会社クラウドワークス(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長CEO:吉田 浩一郎 以下「当社」)が運営する日本最大のクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」では、登録するフリーランスの方1400人を対象に、新型コロナウイルス感染症による、仕事への影響についての全国緊急調査を実施いたしました。
出典:クラウドワークス
今回はこの発表を紹介しながらフリーランスのリアルな現状を探りつつ、厳しい状況に置かれた全国のフリーランスを救済するためにとるべき措置について考えていきたいと思います。
最後までお読みいただければと思います。
今回の調査の概要
このたび発表したプレスリリースは、クラウドワークスの公式サイト内でも公開されています。
それによりますと、今回の調査でわかったことは、かいつまんで言うとこんなところです。
・30%以上が月額5万円以上、15%以上が月額10万円以上の収入減
・具体的な仕事への影響のトップは「請ける仕事が減った」
・さらに「受注予定のキャンセル」「進行中案件の遅延」「進行中案件の中止」と続く
次章で具体的に見ていきましょう。
調査結果の具体的内容
では、具体的にどのような設問があり、どんな回答結果になったか見ていきましょう。
あなたの収入はどれくらい減りましたか?
収入減になってしまっている人は65.1%にのぼります。
・5~10万円:14.8%
・10~20万円:9.8%
・20~50万円:5.9%
・特に影響はない:34.9%
3人に2人は、収入減に見舞われたことが分かります。
20~50万円のマイナスとなるとあきらかに生活に支障が出るレベルなので深刻です。
収入の減少は、家族にも当然影響を与えます。そこで次の質問は、そもそも回答者の収入がが世帯収入に対してどれくらいの割合を占めているのかを訊いています。
世帯年収のうち、回答者個人の収入割合(年間)は?
全体の6割にあたるフリーランスが世帯年収の30%以上を担い、約3割が世帯年収の100%と、家計を一身に支えていることがわかりました。
・90%:3.6
・80%:3.6
・70%:4.5
・60%:3.6
・50%:6.1
・40%:5.9
・30%:9.4
・20%:10.0
・10%以下:24.4
フリーランスとしての州のみで家族を養っている人にとっては厳しい状況です。
またこの調査では、フリーランスの約4人に1人は世帯収入の1割にも満たない稼ぎしかあげていなかったという実態も明らかになりました。
具体的には仕事にどのような影響が出てる?
これには、多様な回答がありました。
・受注予定の案件がキャンセルになった:18.5%
・進行中案件の遅延:16.9%
・進行中案件の中止:16.1%
・連絡がつかない:8.5%
・特に影響は出ていない:7.5%
・報酬の支払い遅延:6.2%
・報酬の未払い:3.2%
・契約中案件の条件変更による報酬額の変更:2.6%
・その他:25.0%
多くのフリーランスは「クライアントワーク」であり、クライアントから案件を受注して収入を得ています。
今回の騒動ではクライアント側に深刻な影響が出ているのは必至で、それが案件の中止や遅延といった収入に直結する事態を招いています。
案件をこなすことで報酬を得るいわば「完全歩合制」のシステムで多くのフリーランスは働いているので、収入源となる案件が減少すれば、当然ながら厳しい状況になります。
別の手段(副業等)で収入補填を検討していますか?
さらに、収入の減少を受け、副業などでその減少分を補うことを考えているかも訊いています。
いいえ:44.9%
今回は具体的な手段についての設問はありませんでしたが、在宅でもスタートできる副業などが挙げられるでしょう。
いいえと答えた人の中には、今はとてもそこまで考えられる余裕がない、という切羽詰まった声が含まれているように思われます。
その他の声は?
上記の質問以外にも、フリーランスからは深刻な悩みの声が寄せられています。
その他、「外出による営業活動ができない」「収束後、もとの仕事量に戻れるのか」
「パートナーの会社も休みになって収入大幅減」など、さまざまな悩みや不安も
当事者の生の声をダイレクトにお伝えしたいと思いますので、プレスリリース本文内に掲載されている原文ママご紹介します。

・本職がイベント業のため全く仕事がなくなりました。

外出自粛の必要性が日に日に高まってきているため、新規のための動きが取りづらく、また営業をかけようと 思っている事業所もコロナの影響を受けていると予想されるため動くに動けないことがある。

コロナウイルスが収束したとして、収束後、速やかに以前の仕事量に戻れるのか不安です。

4・5月の依頼がキャンセル多数でこの先が不安です。
給付金や融資を申請しようと考えましたが、
1~3月に関しては前年度よりも売上げが上がっています。
これだと条件に当てはまらないようで悩んでいます。

通訳案内業の仕事がほとんどなくなっただけでなく、
外出自粛によってリサーチ業務すらままならない状況です。

パートナーの会社も2週間ほど休みになり、収入も減っております。
2人合わせて20万ほどの減収となり非常に困っております。

今後フリーランスでやっていくことに不安を持っているため、
就職活動を開始した。
非常に厳しい、切実な声ばかりです。
収束がまだ見通せないだけに、フリーランスの不安は募るばかりです。
提言:幅広い層のフリーランスへの現金給付を
こうした調査結果を示したうえで、クラウドワークスは以下のように指摘しています。
今回の調査により、フリーランスの7割の方に、収入減の影響が出ていることが分かりました。特に、20万円〜50万円と大きく収入減となっている方は、全体の6%もおり、仮にこの状況が1年続けば、年収換算で240〜600万円の打撃となります。これは、政府が検討をすすめるフリーランスを対象とした持続化給付金の上限である100万円を大きく超える減収額です。
さらに、フリーランサーのみならずその家族も打撃を被ることを憂慮し、今後事態が悪化すれば教育費や家賃・住宅ローンなど、の支払いが滞るといった影響も増えてくるとみています。
そのうえでクラウドワークスは、日本におけるフリーランスは、雇用と給与が保証されている正社員とは異なり、生活基盤が不安定な職業と指摘。プレスリリースを発した4月6日時点で検討されていた30万円の現金給付では不十分ととらえ、
と、結論づけています。
さらに現在300万人以上と言われるフリーランスが、収束後に果たせる役割があることを力強く訴えています。
豊富な専門スキル・経験を持つフリーランスの方は、緊急経済対策の5本柱のうち収束後の「官民を挙げた経済活動の回復」「強靭な経済構造の構築」になくてはならない存在です。
そして最後にこう締めくくっています。
当社は、多様な働き方のユーザーに利用頂くサービスを提供する立場から、フリーランスの方への持続化給付金のいち早い実施と、中長期に渡る支援を求めます。
おわりに
全国のフリーランサーをパートナーとしてビジネスを展開してきたクラウドワークスの切実な訴えがにじむ異例のプレスリリースと言えるでしょう。
苦境に陥っているフリーランスに政府がその価値を認め手厚く救済するか否かは、今後の世論の動向にかかっています。
フリーランスがこのピンチを乗り越え復活できるように、今回、このプレスリリースを全面的に紹介させていただきました。
この思いが届き、クラウドワークが主張する通り、幅広い層のフリーランスへの現金給付が実現されることを願ってやみません。