よく似た日本語の一つに、「純粋」と「純情」があります。

たしかに急に違いを説明してと言われても、わからないなあ。

純粋と言われたこともあるし、純情と言われたこともある。
この2つの言葉、ほぼほぼ同じ意味なのですが、微妙にニュアンスが異なるんです。それは漢字の「粋」と「情」の違いにも表れていますが。
そして自分が「純粋」と「純情」のどちらにキャラクターが近いかを知ることが、自分自身を知る手掛かりにもなります。
今回は、両者の違いについて取り上げてみたいと思います。
純粋と純情の意味の違いとは?
両者はどんな違いがあるのでしょうか?
純粋とは?
まず、純粋から見ていきましょう。辞書にはこう載っています。
① まじりけがない・こと(さま)。 「 -のアルコール」
② けがれがないこと。邪念や私欲のないさま。 「 -な気持ちで忠告する」 「 -な人」
③ ひたすらそのことだけにかかわること。一途なこと。また、そのさま。 「 -に学問的興味だけで接する」出典:Weblio辞書
京セラ創業者の稲森和夫さんは、純粋について以下のように述べています。
古代インドのサンスクリット語で「偉大な人物の行動の成功は、その行動の手段によるよりも、その人の心の純粋さによる」というある聖人の言葉が残されています。
純粋な心とは言いかえれば、物ごとを行うときの動機が純粋であり、私心がないということと同じです。またそれは、人間として何が正しいのかということとも共通しています。 純粋な心を身につけることによって、私たちは間違いのない人生を歩んでいくことができます。
純粋で私心のない心、すなわち人間として高い見識や見解を判断基準として物ごとを決め、人生を歩めば、その人の人生に大きな潤いとすばらしい結果をもたらすのです。
あ
純情とは?
対して、純情とはどんな意味なのでしょうか?
すなおで邪心のない心。利益・策略を離れて、いちずに寄せる人情・愛情。
出典:Google
基本的な意味は、純粋とほぼ変わりはないのですが、人情、愛情というように「情」という言葉が出てきますね。この「情」が両者に微妙な違いを及ぼします。
共通点と違い
こうして辞典を引いてみても、一見同じような意味に思えます。
とくに両者とも「すなおでけがれのない」という点は一致しています。これは、漢字の「純」の意味を汲んでいます。
ではどこが違うか?それは、感情が深く入り込むか、入り込まないかの差なのです。
感情が入り込むとはどういうことかというと、「反応しやすい」ということです。
何らかの出来事や情報に対して、ポジティブでネガティブであれすぐ感情反応してしまうのが「純情な人」の大きな特徴です。
対して、何らかの出来事や情報に対して、あれこれと感情を挟むことなく、すんなり受け入れえるのが「純粋な人」です。
もちろん純粋な人は無感情、ということは決してありませんが、純情な人がより感情が表に出やすいということです。
おわりに
純粋と純情はほぼ同じ意味ですが、「感情」の出やすさに若干の違いがあるということ。
自分がどちらに近いかを考えることも、いいかもしれません。