人間関係には、相手を選べるケースと選べないケースがあります。
例えばあなたが、スポーツ系、文化系問わず、サークルを立ち上げるとした場合、
あなたは、自分と気の合う人を意図的に選ぶことができます。
一方、ある会社に入社したら、希望通りが否かに関わらず、最初に配置された部署にいる人たちを、選ぶことはできません。
学生時代に経験した「クラス替え」も、クラスメイトを自分で選ぶことはできませんでしたよね。
現実として、人生において遭遇する人間関係とは、
相手を選べないことがほとんどです。
相手を選べないということは、当然、性格も一致せず、価値観が食い違うことがあります。
感情的に対立してしまうこともあるかもしれません。
私たちはひとりひとり、信念や価値観もって生きているわけですが、
自分と全く同じ信念や価値観を持っている人は、一人もいません。
そして、私たちは「感情」というものを持っています。
自分以外の他人に対しては、自分の信念や価値観に近いか遠いかを基準にして、
「好き」か「嫌い」かという感情で、色分けしていきます。
あなたにも、「好き」な人や「嫌い」な人はいることでしょう。
そして、この地球上に住む74億人に、74億通りの異なる人生が存在する以上、
あなたのことを受け入れられない人は、必ず存在します。
「あなたのことを嫌いな人」がいるのは、仕方のないことです。
しかし、「あなたを憎む人」は、あなたの言動によって生じる人たちであり、
そのような人を作る必要は全くありません。
「憎む」とは、自分の信念や価値観を否定された時に起きる感情です。
他人の持つ信念や価値観を押し付けられ、自分が反論できず論破されたとき、
または暴力的な扱いを受けたりなどしたとき、生じる感情です。
あなたのことを憎んでいる人が多いと、
あなたははたして幸福に生きられるでしょうか?
あなたを憎む人は、あなたの成功が面白くありません。
あなたが幸せをつかむのを快く思いません。
あなたを邪魔したり、足を引っ張ったりしてきます。
あなたを憎む人同士でグループを組み、あなたを追い詰めることもあるかもしれません。
憎まれない方法はただひとつ、相手の信念や価値観を否定しないことです。
そして、あなたの信念や価値観を、押し付けたりしないことです。
自分を否定されて、喜ぶ人はひとりもいません。
とくに、自分が生きていく中で積み重てきた信念や価値観を、否定された上に、
赤の他人であるあなたの信念や価値観を強要されるようなことをされたら、
その人との正常な関係は失われ、「憎しみ」だけが残ることになります。
しかし厄介なのは、「憎まれた」ことになかなか気づかないことです。
そればかりか、自分が正しいと思っている信念や価値観を、
相手に植え付けたことは、素晴らしいことで、
正しいことをしてあげた、という正義感に満たされます。
皮肉なことに、人を傷つけたときが、最も気持ちいいのです。
何らかの報復行為を受けて、ようやく「憎まれた」と気づくケースが多いのです。
正義感を振りかざした代償はあまりに大きく、「憎まれる」という感情が一度芽生えたら、
払拭させることは極めて難しく、
あなたの人生にとってはマイナスでしかないわけです。
あなたは、本体憎まれる必要のない人にも、
憎まれていないでしょうか?
あなたの信念、価値観は、全世界であなただけのものであり、
あなたしか受け入れる人がいないのです。
あなたの信念、価値観をそっくりそのまま受け入れる人はいません。
その事実を認めて、人は人、自分は自分と、
それぞれの違いを認めていきましょう。
「好き」「嫌い」はあっても構いません。
でも、「憎む」「憎まれる」は、全くもって不要なのです。