終身雇用制度の本来の意味とは?崩壊しているって本当?

ビジネス

最近「終身雇用制度は崩壊した」という声をよく聞くようになりましたね。

ところで、「終身雇用」って、どんな意味か説明できますか?

「一生雇ってくれるってことでしょ?」という声が聞こえてきそうですが、もちろんそれで間違いはないのですが、本質はもっと深いところにあります。

今回は、終身雇用という言葉を正しく定義し、それを理解したうえで、今後予想される流れをお話しようと思います。

終身雇用の意味

終身雇用について、辞書ではこう記されています。

生涯雇用制度ともいい,企業が定期採用した新規卒業者を定年まで雇用する制度。日本の大企業や行政機関において顕著にみられる典型的な雇用形態であるが,制度として明文化されたものではなく,慣行として行われている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典

厚生労働省「就労条件総合調査」(平成29年)によると、95.5%もの企業が定年制を採用しています。60歳を定年とする企業が79.3%、65歳を定年とする企業が16.4%です。また、2013年4月に「高年齢者雇用安定法」が改正されたことにより、希望すれば原則65歳まで継続して働けるようになっています。

つまり、新卒から定年までの約40年、懲戒解雇などに相当するよほどの事例がない限り、自分の意志で同じ会社に勤め上げることができる、という制度が、労働者側からみた「終身雇用制度」です。

対して、経営サイドから見ると、入ってきた正規社員は複数年契約でも単年契約でもなく、雇用年数ははっきりとしていません。これは、世界的に見れば極めて稀です。さらに前述の法改正により、65歳までは本人の意思を尊重し雇い続けないといけませんので、その間新入社員が毎年のように入り続けるとしたら、人件費は膨らみます。

というわけで、企業側からしてみれば、高齢になるまで会社にしがみつかず、どこかの時点で転職してくれ奨励するのは自然なことで、その流れを裏付ける経済界大物の発言が最近相次ぎました。

終身雇用は崩壊へ向かう?

いずれもここ最近の発言です。

経済同友会・桜田謙悟代表幹事「昭和の時代は、大変よく機能したと思う。ただ、経済そのものが大きく変革してしまった中で、終身雇用という制度をとらえるとすれば、やはり『制度疲労』を起こしている可能性があるので、(今後)もたないと、わたしは思っている」

日本自動車工業会の豊田章男会長「雇用をずっと続けている企業、税金をずっと納めている企業に対して、(終身雇用の)インセンティブはあまりない」、「なかなか終身雇用を守っていくのは、難しい局面に入ってきたのではないか」

一方、経団連の中西宏明会長も、「終身雇用を前提とすること自体が限界になる」、「だめになりそうな事業を、雇用を維持するために残すということをすると、雇用されている方にとって一番不幸」として、終身雇用が転機を迎えているとしている。

出典:FNN

昭和の時代には通用した終身雇用制度は、令和の時代に入り、ついに制度疲労をおこしているのが、これらの発言から伺えます。

少子高齢化、長期にわたる経済停滞などにより、終身雇用を維持することは一層困難になってきています。しかし日本では人材の流動性は諸外国と比べて緩やかなのが現実で、転職率は欧米の半分以下にとどまっています。「会社にとどまる=安定が担保される」と考える風潮はまだ強いようです。

まとめ

定年後の人生設計が視野に入ってきた40代以降になると、今の会社に居続けたいと希望する人は多いでしょう。しかし、時代は確実に終身雇用制度の実質崩壊へと向かっています。

今後、労働者がとるべき考え方としては、終身雇用とは、期限を設けない雇用契約である、ということです。契約には永遠はありません。一生安泰ということはなく、いつ会社を去ることになってもおかしくないマインドを作っておくということ。

今後の状況次第では、リストラの可能性も少なくない時代に入っていきますので、「会社の外の人生」がやってくることも十分に想定して、準備しておくがいいと思います。

 

 

 

 

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