ビジネスにおいて、コミュニケーション能力の高さが成功を左右すると言われます。
直接取引をするクライアントや顧客とのコミュニケーションを円滑にして、支援者(出資者)との良好な関係を築くことは、ビジネスを成功に導く必須条件であることは言うまでもないことです。
商売であれサービスであれ、「人気」や「イメージ」に業績が左右される部分は大きく、それらを維持、もしくは高めるためにもコミュニケーション能力はなおさら必要になってきます。
しかし世の中には、コミュニケーションが苦手の人が存在します。いわゆる「コミュ障」と言われる人たちです。
コミュ障の人だって、当然成功したい。自分のビジネスが認められ、確固たる地位を築き、そして正当な収入も得たいわけです。
コミュ障の人は、ビジネスの世界で成功することは不可能なのでしょうか?
結論から言いますと、可能です。
具体的な方法論は、簡潔には、
「プル戦略」を攻略して
少ないチャンスをモノにする
ということです。
今回は、コミュ障系ビジネスパーソンが身につけたい「プル戦略」の極意を中心に、話を進めていきたいと思います。
なぜプル戦略が必要か?
まず、プッシュ戦略とプル戦略からなるプロモーション戦略(及び流通戦略)について触れてみましょう。
プッシュ戦略はプッシュ(push)という言葉通り、外側に向けて押し出すイメージです。一方プル戦略はプル(pull)という言葉から、内側へと引いてくる、引っ張ってくるイメージです。
この2つの戦略を端的に言うと、プッシュ戦略は「営業重視」で消費者に売り込んでいく“押せ押せ”の戦略、プル戦略は確固たるブランドイメージを広告などで作り上げ需要を“引き出す”戦略です。
大まかな違いについてご説明したところで、なぜコミュ障はプル戦略でいくべきなのかご説明していきましょう。
プル戦略が機能する過程
コミュニケーションに自信がないから、ビジネスをやってはいけない、というわけではありません。プル戦略の基礎を身につければ、十分に戦い抜くことができます。
プル戦略の過程は次のとおりです。
まずプル戦略の目的は、生産者(サービス提供者)によるマーケティングで製品やブランドのイメージを向上させ、消費者の自社製品に対する需要を喚起することです。
そのための手段として、生産者は広告や消費者向けのプロモーションによって、消費者に働きかけます。
そして最終的に、消費者に自社製品を指名買いしてもらうことを目的としています。
人との直接的なコミュニケーションを必要としない「広告や消費者向けのプロモーション」が、コミュ障の人の商品やサービスを周知させる手段で、これを徹底的に行うことで、消費者を購入に「引き込む」という考え方です。
コミュニケーションが苦手な人は、つきつめれば「営業が苦手」なのです。一人一人と対面して言葉で売り込みをかけることができないので、広告の力を最大限活用するために、リソースを集中して投入するということです。
そして「広告」については、現代においてはインターネットやSNSで、比較的安価でも行うことができるようになりました。
「営業」という、コミュ障が最も苦手にする仕事の代わりに、ブログやYoutubeなどで情報発信するという形で自分自身を広く告げる、すなわち「広告する」ことができる時代なのです。
身近にかつ低価格でできる(Youtubeは無料)広告ツールを手に入れた以上、それらの広告が顧客を引き連れてくれる、すなわち「勝手に営業」してくれるためには、あなたの強みとなる技術、スキルを徹底的に磨くことにエネルギーを使いましょう。
訴える商品は「あなたの強み」
これはコミュ障に限ったことではないのですが、起業であれフリーランスであれスーパーサラリーマンであれ、ビジネスで成功するにあたり磨き上げるべきは「あなたの強み」です。
あなたの強みを徹底的に伸ばし、自分のメディアで広告してファンを地道に増やしていくのが、理想的なプル戦略です。
あなたの長所が生きるのであれば、技術の習得はとても速いです。短所に囚われいやいややるより時間や労力の差は明らかです。
少ないチャンスをモノにする
コミュ障は、出会いの機会も少ないのえ、チャンスが回ってくるのが少なく、遅咲きになりやすいです。だからこそ、数少ないチャンスを的確につかむ必要があります。
チャンスを待った分、基礎が出来上がっているので、いざチャンスをつかむと長く続きやすいという特徴があります。
まずは強みを活かしじっくり実力をつけつつ、チャンスを確実にモノにするために常にアンテナは貼っておきましょう。
おわりに
コミュ障だからと言って、ビジネスで成功できないわけではありません。自らの特性を知り、自分の個性を磨き上げて、広告活動で需要を引きつける「プル戦略」の徹底で、十分に可能です。
コミュ障というコンプレックスが、最大のエネルギー源になるとき、大きくビジネスが羽ばたくのです。