インターネットが普及しておよそ25年。SNSが一般的になって10年ほどが経ちました。もう私たちの生活には欠かせないツールになってきましたね。
とくにSNSにはまっていると、SNSでバズっていること、すなわち拡散していることが、世の中の主流の意見のように錯覚してしまいがちですが、現実はそうではありません。
スマホの中で繰り広げられる喧騒をあざ笑うかのように、現実社会は淡々と流れていきます。
SNSの投稿に傷ついたり、自分の投稿にいわゆる「クソリプ」をされたとしても、日常の空間は「それがどうした?」と言わんばかりに静かに過ぎ去っていきます。
つまりこれが、今日のテーマである、
ということになります。
ツイッターで10,000いいねえ、10,000リツイートとか記録しても、世論はびくともしないし、個人的な書き込みが世間に何かしらの影響を与える、ということはあるケースを除いては考えられません。
そのケースとは、マスメディアが取り上げたときです。
つまり、
国民に広く知られるトレンドとなる
となるわけです。
明らかなのは、テレビ・新聞と言ったマスメディアはまだまだ情報浸透力が巨大だということ。
さて、今日のトピックである、ネットの「拡散力」と「影響力」は違う、という話ですが、いきなり結論をお伝えしましょう。それは…
マスメディア→「影響力」がある
この図式は、まだまだ続く
ということです。
今回は、「拡散力」と「影響力」の違いを解説しつつ、ネットがマスメディアを超える影響力を持つことが可能かどうかも考察してみたいと思います。
拡散力と影響力の違いとは?
ネットの世界における「拡散」とは、ひとりのネットユーザーが、ネット上で得たある情報を不特定多数の他のユーザーに伝える行為です。わかりやすい例でいえば、ツイッターの「リツイート機能」になります。
自分が最初に情報を発信した「1次ソース」を自分自身で拡散するケースもあれば、誰から発信した情報、すなわち「2次ソース」をその人に代わって他の人たちに伝えることも含まれます。
それに対して、ネットにおける「影響」とは、マスメディアに代表される大きな組織が、これまで積み上げてきた権威性を武器に、圧倒的多数の人々に情報を信じ込ませる現象です。
典型的なのはニュース報道で、テレビ局が伝えるニュースは一瞬で全国に伝わりますし、情報に信頼性があります。これを日々繰り返すことで、「影響力」が形成されるというわけです。
つまり、
・影響力があるとは、権威ある大きなメディアが信頼性のある情報を伝え続けること
どれだけ、ある情報に対し多数の個人が拡散しても、大手メディアが1回の情報配信機会で流す情報の方が、今のところは信頼性の面では影響力が大きいというわけです。
なので現状では、
となります。
個人発信者とマスメディアはまだ力の差がある?
最近は、SNSやYouTube上で「インフルエンサー」と呼ばれる人が台頭してきて、個人で多くのフォロワーを抱え拡散させる(バズらせる)力を持っている人もいるのですが、まだまだ大手メディアの影響力には叶いません。
個人インフルエンサーの中には100万人以上のフォロワーがいたりするのですが、彼ら彼女らが投稿した情報がネット上で拡散しても、一般生活圏に浸透することは現在ではほとんどありません。
家庭内の会話とか、友達とカフェで話したりしているときに、「今日○○がツイッターで言ってたことは云々~」と話題になることは滅多にないです。でも、大手メディアで伝えられたニュースなら、すぐにお茶の間や友達間で話題になりますよね。
個人のインフルエンサーと大手メディアとでは、たとえ「人気」の面でインフルエンサーが勝っても、積み上げた実績の年数が違いすぎるので、情報の信用性ではまだまだ大手メディアが圧倒的です。
SNSで拡散された情報が メディアで報じられるようになってきた
とはいえ、最近のテレビのニュース番組などを見ていると、大物政治家のSNSでの発言を大手メディアが取り上げる、ということが多くなりました。また、国民の声(世論)を紹介するのに、ネット上に出ているコメントを取り上げる、ということも増えてきました。
そういう意味では、ネット(SNS)の「影響力」も上がってきています。インターネットの歴史がおよそ25年だとすると、急激に影響力を伸ばしているともいえます。
まとめ
というわけで、これまでの話をまとめますと、
メディアの影響力が
融合している時代
に入ったと言えます。
当面はこの流れが続くと思われます。
お互いの特徴、強みを取り込み合う形で、情報産業はしばらく流れていくでしょう。
インフルエンサー市場が巨大化して、通信速度の向上などのインフラがますます充実いてけば、影響力を強めていくことがあり得ますが、既存のメディアはまだ強力なので、影響力が逆転するかはまだ未知数です。